ICO(Initial Coin Offering)とは何か?その未来について〜基礎学習vol.3〜

仮想通貨の世界では、普段の生活ではおおよそ聞いたことのない言葉ばかりで、しかも、なぜかアルファベット3文字の言葉が多いと感じる方は少なくないと思います。基礎学習vol.3では、仮想通貨まわりで最もよく聞くアルファベット3文字の中の1つ『ICO(Initial Coin Offering)』とは何か、ICOのプロセスや注意点、そして未来について考えていきます。

 

「聞いたことはあるけど、説明するのはちょっと..」や「今さら聞くのは恥ずかしい..」と感じるみなさまも、ここで基礎知識を学習し直して、仮想通貨の投資に活かしていただければと思います。

 

ICO(Initial Coin Offering)とは何か?

ICOとは「Initial Coin Offering」の略称で、「クラウドセール」や「トークンセール」と呼ばれる事もあります。Googleで検索すると「最初のコイン提供」と翻訳されますが、これでは何の事やらさっぱりわからないですよね。

 

大雑把に説明すると、ICOはある企業やグループが「トークン」と呼ばれる仮想通貨を販売し、その売却益で開発費や研究費などの資金を調達する方法です。「このテーマについて研究したいけど資金が無い..」「研究はできたが、プロダクト開発に投資する資金がない..」といった方々にとっての資金集めの手段のひとつです。これらの研究・事業の対象は、現在ではブロックチェーンを使ったプラットフォーム・アプリケーション開発がほとんどです。

 

株式に詳しい方ならば「あれ?IPOとそっくりだね」と思うかもしれません。IPOとは「Initial Public Offering」の略称で、日本語では「株式新規公開」と言われます。

 

新規株式公開とは「ある企業が資金調達のために、オーナーやその家族といった特定の株主が保有し、流通していない状態の株式を、不特定多数の投資家に発行株式を公開し、売買を可能にすること」です。ICOとIPOは販売する物が「トークン」か「株式」かの違いだけで「資金調達」という目的は同じです。ただし、ICOはIPOのように議決権が確立されていないので、全く同じという訳ではありません。

 

ICOはどのような手順で進むのか?

ICOは「トークン」と呼ばれる仮想通貨を使った資金調達方法でした。では、ICOはどのような手順で進むのでしょうか?手順を簡単に説明すると以下4ステップとなります。

 

  1. プロジェクトのICO情報をWebやSNSなどで知り、詳細を調べる。
  2. プロジェクトの公式サイトで提示されている期日までに資金(そのプロジェクトが指定する通貨で、ETHが多い)を送り、トークンを購入する(ICOに参加するといいます)。
  3. プロジェクトのトークンが取引所に上場するまで、トークンの売買はできないため、個人のウォレットでトークンを保管する。
  4. プロジェクトのトークンが取引所に上場され、トークンの自由な売買を行う。

 

2のタイミングで割安な価格でトークンを購入し、4のタイミングでトークンが取引所に上場するとともに値上がりしたトークンを売却し利益を上げる。このように「安く買って、高く売る」がICOの典型的なメリットです。

 

ICOを行うプロジェクトの中身に注意しよう

一見、ICOは簡単に大きなメリット(売却利益の獲得)を得られるように感じますが、そのプロジェクトの中身をしっかり理解しておかないと、損を被る場合があります。

 

ICOを行う企業やプロジェクトは、サービスやプロダクトを開発し始めたばかりであったり、そもそも開発がスタートしていないことがほとんどです。つまり、事業そのものがまだ姿を現していない段階で投資判断をすることになります。

 

企業やチームが無名でプロジェクトが成功するのかどうか分からない中、投資するかしないかを判断する1つの材料として、その企業やチームが公開する「ホワイトペーパー」があります。

 

ホワイトペーパーとは、サービスやプロダクトに使われる技術や、ビジネスモデルをまとめた説明書のことです。ホワイトペーパーを読み込み、そのサービスやプロダクトが技術的に素晴らしいのか、社会的意義があるのか、将来性は高いのかを吟味し、投資の判断材料にすることができます。

 

今までは、ICOを行う企業やチームの多くが海外のものだった為、ホワイトペーパーはほとんど英語でした。しかし、昨今では日本のチームがICOを行ったり、海外ICOのホワイトペーパーでも、日本語訳されたものが存在したりと、日本人にはとっつき易くなってきております。一方で、英語のみのホワイトペーパーはまだまだ多く、日本人にとっては読解ハードルが高く、英語の理解度が、ホワイトペーパーの理解度に直結するのは言うまでもありません。

 

ICOを行う企業やチームは、プロジェクトを立ち上げたばかりであるとか、プロダクトを開発する前の段階であるので、ICOのタイミングで、本当の価値はわかりかねます。しかし、最近の仮想通貨人気で仮想通貨全体の価格が高騰しているため、昨年、ICOで購入したトークンが取引所に上場され取引ができるようになった途端、価格が3~20倍になるケースが続出しました。

 

そのようなトークン価格が高騰したケースの全てが、プロジェクトやプロダクトが評価された結果と言えるものばかりではなく、単に短期的な値上がり「だけ」を狙った投機的なものも、残念ながら多数含まれていたと思います。たった数日で、数億円から数十億円を集めるICOも、実際のサービスがスタートしたものはほとんどない現実を見たら、投機的と言われても仕方ないかもしれません。

 

ICOは「投機から投資」へ変化する

バブルと言っても過言ではない昨年のICOの状況から、今年はどのように変化するのでしょうか。未来の正確なことは分かりませんが「投機から投資」への風向きがあるように感じます。

 

取引所に上場すると、とにかく価格が上昇した昨年のICO市場は、今年に入ってだいぶ落ち着いたように感じます。ほぼ毎日なだれのように入ってきたICO情報は落ちついてきており、また、そのプロジェクトやプロダクトの内容、企業やチームの実績がしっかりしたものが目立つようになってきています。

 

  • 無名なチームではなく既に10年以上稼働しており一定の知名度がある
  • チームメンバーがその世界・業界のエキスパートで構成されている
  • 既にプロジェクトが立ち上がっており一定進行している

 

などといった、分厚いバックボーンを持ったものが目立つようになってきました。逆に、そういうものでないと、資金が集まりにくくなっていると思われます。

 

各ICOを精査し、見立てをしているこの状態は、昨年の異常なフィーバーからすれば、市場が一段階成熟したと言えるでしょう。投資する側の目が厳しくなり、投資を募る側が情報を提供したり、チームメンバーを強化したりしてそれに応えようとするのは、健全な姿に向かっていると言っていいと思います。

 

ただし、あくまで未来への投資なので、当然ながら全てが上手く行くとは限りません。万全と思えるプロジェクトも、思わぬ形で頓挫し、ストップしてしまうかもしれません。利益というリターンが存在する裏面には、損失というリスクが常に存在します。

 

しかし、そのリスクを背負ってでも投資してよいICOならば、参加する意義は大いにあると思います。「損失リスクを背負い、見たい未来に投資する」これが2018年、ICOに参加する投資家に求められる姿勢であると思います。

 

つまり、ICOとは「暗号通貨で行うベンチャーキャピタルである」といえるのかもしれません。

 

※本記事は読者の投資に責任を負うものではございません。投資は自己責任でお願いいたします。

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